2019年の採用に向けたエンジニア志望学生が集まる採用・就活イベントに参加。12月中盤でイベントは既に活況。採用活動の早期化を感じたイベントのレポートと、認知度が低く狙った学生層から応募が集まらない企業(TNP)に向けた助言。
目次
採用活動の早期化を感じる12月の採用・就活イベントへの参加
自社プロダクトを開発・販売する顧問先の採用支援で、新卒エンジニア採用イベントに同席。学生が約60人、企業が約10社集まっている。少し前までは、この時期(12月)の
採用活動は大手企業と学生をとり合うエッジの効いたベンチャー企業や、外資、マスコミなんかが中心だったように思う。今回、集まっている企業は認知度の高い企業というよりは、どちらかというと採用に苦労がありそうな中小・中堅企業(つまり認知度が低い企業)が多く、『採用・就職活動の早期化』『年中採用活動』を改めて実感。顧問先でも既に数名が面接フェーズにある。
会場の活況な雰囲気に既に採用シーズンが本格化したのかと錯覚しそうになるが、実際、話を聞いてみると「まだ就職活動を始めたばかり。」「今回初めて就職イベントに参加した。」という学生の方が多い。(少しホッとする。)
12月の就活・採用イベントに集まる学生層
この採用イベントを主催する新卒紹介会社さんではIT企業と提携し、2ヶ月程度かけて学生にプログラミング(PHP/MySQL)を教えているそう。学業も並行しつつ2ヶ月程度では大して学べないだろうと思われるかもしれない。
そうであったとしても、一定の土地勘を身につけていることで、入社後のすぐの研修や開発の現場で「自分にはやっぱり難しい」「向いてないかも」という出会いがしらのデモチベーションション(やる気をなくす)リスクを軽減する効果はあるだろう。
今後は厳選採用でなく、原石採用(伸びる人材を見つけ、磨く)が主流になるだろうから、ますますこんな働きかけができる新卒紹介会社さんは企業にも学生にも重宝されるように思う。
イベントにはこの教育された学生達と、学生時代に何らかの開発経験を有している学生が集まっていて、質問も「研修制度はありますか?」「文系でも大丈夫ですか?」という玄関で様子見するような質問でなく、働くイメージを深めるための質問(新しい言語を習得していくための環境の確認、エンジニアとしてのキャリアパス、新卒1、2年目の社員がどんなプロダクト開発に関わっていて、どのような役割を果たしているか、等)が多かった。いわゆる「意識の高い(系)の学生」が多く集まっている印象。当然のようにインターンに複数回、行っている(とは言ってもOne dayが中心のようだ)学生は多かった。
新卒紹介会社の営業パーソンを呼ぶ、その前に!
とは言え、「うちも早く始めなきゃ」と新卒紹介会社の営業パーソンを呼び、イベント参加の申し込みをして一安心してはいけない。(特にこのサイトが読者として想定している、認知度が低く、狙った学生層からの応募が少ないと悩んでいる会社は。)3つほど、その理由を挙げて見よう。
理由その1.長期間、学生をグリップしきれないから。
理由としては「認知度が低く、応募が少ない企業」は往々にしてグリップ力が弱い。人的リソースの問題だけではなく、グリップする力(自社の魅力:惹きつける力)を磨かいたり、整理したりせずに学生に会うと、結果的に面接辞退、内定辞退される可能性が高くなる。
これからスタートするのであれば、大学の試験がひと段落する1月の下旬あたりからのスタートを目指して、狙う学生像に響く自社の魅力を整理もしくは検討すべきだろう。
理由その2.自社説明会もしくは面接への流入率が下がるから。
人材紹介会社などが主催するイベントで興味喚起し、自社の説明会もしくは面接への流入を促すケースについて。
自社の魅力を十分に整理して学生に伝えられなければ、流入率はかなり下がる。どこの会社でも言えそうな陳腐で抽象的な言葉を並べ、イベントのプレゼンする担当者が魅力を感じさせることがなければ会社説明会や面接への流入率はかなりの確度で下がる。
複数企業が参加するイベントによっては、各企業のプレゼン後、参加企業の人気(気になる企業)ランキングが発表されたりする。そういったランキングで下位になったり、また、そもそも流入率が低い企業は、自社の魅力とその伝え方を見直してみる必要がある。
理由その3.人材紹介会社がやる気にならないから。
当たり前の話であるが、人材紹介会社は「候補者に魅力を伝えやすい企業」、「他社との違いが分かりやすい企業」、「興味喚起しやすい企業」、「担当者が応援したくなる企業」に積極的に人材紹介する。
採用支援の一貫でイベントに同席して各社のプレゼンテーションを見ていると、この魅力の意味を間違って捉えてしまい(簡単に言うと候補者視点が抜けている)、独りよがりのアピールをしてしまっている残念な会社が実際に多い。だが、往々にして、「自社の魅力はこうで、こう伝えるのだ。」と思い込んでしまっていて、なかなか自分(自社)では気づけないことも事実だろう。
弊社が採用支援を行う顧問先で、魅力を見直すと「それが魅力になるのですね!」とか、「そんな風に伝えられるのですね!」と驚かれることも多い。冷静に客観的に是非、魅力を整理・検討してみて欲しい。
平井としひろ
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